人・キャリア

  • #やりがい
  • #自己成長・キャリアアップ
  • #職種
  • #インターンシップ
  • #採用情報
  • #キャリア採用
  • #インサイドセールス

2年目でモデルハウスのリニューアルに立候補。知識ゼロから挑んだ、奥深きインテリアコーディネーターの世界。

update:2022.03.19

一宮沙和香/2020年入社/建築部コーディネーター課

誰でも手をあげていい会社

アパレルブランド「niko and…」とのコラボで生まれた住宅「ink」。そのモデルハウスは、九州最大級のショッピングモール「イオンモール福岡」の1階にある。連日多くの来場者が訪れ、家づくりへの夢を膨らませている空間。そのインテリアコーディネートを手がけたのは、まだかけだしともいえる2年目のコーディネーターだった。

「誰かやってみたい人、いる?」。一宮沙和香のスマホに上司からそんなラインメッセージが届いたのは、1年目が終わろうとしている3月のこと。「ink」のモデルハウスをリニューアルするプロジェクトが立ち上がるという。それは単に「見せ方を変える」という話ではない。その空間はそのまま来場したお客様に提案され、契約に直結していく。つまり、「新商品の開発」に等しいプロジェクトだった。「やってみたい。でも、経験の浅い私が手をあげていいものだろうか?」。最初はそう逡巡した一宮だったが、勇気を出して立候補すると、みごとメンバーに抜擢。選ばれたことにも驚いたが、決定したメンバー3名のうち、2名が1年目社員というチャレンジングなチーム構成にはもっと驚いたという。

「ナチュラル」から、「インダストリアル」へ

しかも一宮たち3名に与えられた時間はあまり多くなかった。リニューアルの完成目標は3か月後。迷っている時間はない。テーマだけはすでに決まっていた。それまでのモデルルームはナチュラルなイメージだったが、今回のテーマは「インダストリアル」。まずはそれぞれが「これがインダストリアル」と感じる画像をネットや雑誌で収集。3人のイメージを共有し、めざす方向性を定めたら、その空間で暮らす人をイメージした。芸能人なら、誰か。その人はどんなブランドが好きで、どんな車に乗り、どんなインテリアに囲まれているのか。玄関タイル、ドア、照明、キッチン、トイレ…。イメージにあう素材を探し、メーカーから取り寄せ、検討する日々。いくら自分たちがいいと思っても、お客様に気に入ってもらえなければ意味がない。ヒントを探してSNSもチェックしまくった。

もちろん、コーディネーターとしての通常業務も同時進行だ。忙しさは増したが、苦にはならなかった。「それまでは仕様書の中しか知らなかったので、こんなにいろんな素材があるのか!と驚きました。選ぶ作業は本当に大変でしたけど、自分が感じたことや、自分の考えを発言すればするほど、可能性が広がるのを感じました。やりがいがありましたね」。

実は泥くさい仕事

コーディネーターは人気の職種。だが一宮自身が当初希望していたのは、営業職だった。「私がリブワークを選んだ理由の1つは、性別に関係なくチャンスが与えられることでした。男性に負けずにガンガン稼ぎたかったんです」。ところが配属されたのは、コーディネーター。空間デザインの知識などまったくなく、最初は戸惑った。だが、だんだん、自分にむいているかもと感じ始めた。おしゃれで華やかなイメージを持たれがちな職種だが、「実は泥くさい仕事」だと一宮はいう。

「特にリブワークの場合は、コーディネーターが施工現場にも行くんです。そんなこと知らなかったから、配属されてまもなく、上司から『現場を見に行ってきて』と言われた時はびっくりしました(笑)」。とりあえず近場の施工現場に行ってみたものの、何をどう見ればいいのかわからない。帰って先輩にそう話すと、「施工の流れを追って、見ていったらいいよ」。さら地の状態から、基礎工事が始まり、少しずつ家の形ができあがっていく―その順番をたどるように現場へ通うようになると、しだいに見えてきたことがあった。「コーディネーターはお客様にインテリアのプランを提案しますが、その実物は現場にしかないんです。そういうことか!とわかることがたくさんありました」。自分たちが普段提案している実際の部材。その質感やサイズ、取り付け方や注意点。それは、図面だけではわからないことだった。

人を、コーディネートする

現場に積極的に顔を出すメリットはもう1つあった。さまざまな業者さんと仲良くなれることだ。コーディネーターが提案したプランを実際にカタチにしていくのは、大工や左官といった専門業者さんたち。しかし図面だけでは伝えづらいときもあり、施工現場で打ち合わせすることも多いのだという。「顔見知りになっていると、そういうときにコミュニケーションしやすいんですよね。仲良くなれば、電話で気軽に相談もできますし」。

2年目の春には、ユニットリーダーにも昇格した。部下は、新人を含む3名。小さなチームだが、りっぱな管理職だ。メンバーを指導し、統括する立場になった。

そんな一宮は今でも、「どうして自分がコーディネーターに配属されたのかな?」と考えることがあるという。「大学は商学部。営業を希望していることも、社長に面接で伝えました。でもそのときに話したんですよね。大学のゼミでもバイト先でも、サブ的な立場で人をまとめる役割をすることが好きだったと。社長がそれを覚えてくださっていたのかも。この会社のコーディネーターは、いろんな人をまとめていかないといけないんです。営業よりむいていたのかなと、今は思いますね」。

リブワークのコーディネーターは、現場に通うために車も運転できないといけない。おかげで就職してから、ペーパードライバーからも卒業できた。今では毎日、熊本市内から車で通勤している。「最近、引っ越したんですよ。仕事で得た知識を使って、自分の部屋をいじるのが今の趣味。でもなかなかうまくいかなくて」と笑う彼女。「いつかは自分の家を建てて、思う存分、コーディネートしてみたいですね!」。自分の新たな可能性にチャレンジする日々は、新しい夢も育んでいる。