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施工に欠かせない検査のスペシャリスト。家は作らないディレクターが、お客様のために作り続けているものとは?

update:2022.03.19

木下翔太/2020年入社/ディレクター

リブワークは施工管理も分業制

入社2年目・木下翔太の仕事は「ディレクター」。といっても、スーツ姿で番組や広告を作る仕事ではない。作業服に身を包み、工具や脚立を乗せたトラックを運転して、施工現場を飛び回る。それが彼の日常だ。

リブワークのディレクターは、一般的には「施工管理」とも、「現場監督」とも呼ばれる職種である。施工スケジュールの作成から、業者さんの手配、工程管理、予算管理、品質管理、お引き渡しまでをすべて担当するのが通常だが、リブワークでは分業制。木下は検査業務のみを専門に行う。リブワークが分業制を採用しているのは、社員の負担を軽減するため。と同時に、それぞれの業務の質を上げるためでもある。「検査に集中できるのは、ありがたいです。そのかわり、会社にはほとんどいません(笑)。朝は山鹿本社に出勤しますが、その後は毎日3~5件の現場を回っています。僕の担当エリアは八代・人吉なので、帰りは直帰することもけっこうあります」と、作業服姿のディレクターは自らの仕事を語り始めた。

さら地から始まる確認と検査の日々

検査業務だけと聞くと単純な仕事に思われがちだが、家づくりの、とりわけリブワークの検査業務は複雑だ。スタートは、建築予定地での「基礎前会議」。まだ何も建っていないまっさらな土地に、基礎・杭打ち・設備の各業者さんを集め、設計図を手にさまざまな確認を行っていく。「特に重要なのは、グラウンドラインを決めること。だいたいの土地には傾斜があり、道路より低い土地もけっこう多いんです。そういう土地は盛り土をする必要があり、その基準となるのがグラウンドライン。これを間違うと、あとで取り返しがつかないんです」。

その次は、土地に地縄を張り巡らせ、建物の配置を確定。地鎮祭を行い、工事が始まれば、いよいよ検査も始まる。まずは「基礎配筋検査」。続いて「型枠検査」、「基礎完成検査」、「構造体検査」、「木完検査」、「竣工完了検査」、「施主検査」と、約2か月の施工期間のあいだに7段階もの検査が続く。わずかでも問題点が見つかれば、そのたびに業者さんに指示をして改善するのも、木下の仕事だ。さらに木下は、現場の掃除もこまめに行っているという。「現場が散らかっていたら、もしお客様が見に来られたときに、不安になるはず。どんな不安も、現場から取り除いておきたいんです」。

緊張のファーストコンタクト

そんな木下がいちばん緊張するのは、「施主検査」だ。それは文字通り、お客様による最終チェックであり、木下にとってはお客様と初めてお会いする日でもある。ほとんどのお客様にとって、家づくりは人生に1度の大事業。自然とチェックも入念になる。木下が最初に担当した施主検査は、5時間を要したそうだ。ほとんどの場合、なにごともなくOKをいただけるが、まれに最終段階で不具合が見つかることもある。そこが、家づくりの難しさ。

その電話がかかってきたのは、別の現場の検査をしている時だった。「お引渡しをしたばかりのお客様がお怒りだ」と営業。上吊り戸という建具がスムーズに閉まらないという。施主検査では気づかなかった場所だった。木下はその日の検査を終えるやいなや、お客様のお宅へ飛んだ。お客様は待望のマイホームで暮らし始めたばかり。お怒りになるのも当然だった。だが木下が心から謝罪し、真摯に対応策を提案すると、理解してくださった。「ありがとう」という言葉とともに。

あの時のことを思い出すと、今でも冷や汗が出る。でも、「あの経験があってよかった」と木下はいう。「あれは1年目の12月でした。少し仕事に慣れすぎてしまっていたのかもしれません。それまでは施主検査で不具合が見つかったことは1度もなかったし、今回も大丈夫だろうという油断があったんだと思います。あの失敗があったことで、もっとお客様の立場になって確認しなければならない、自分の家と思って仕事をしなければならないと、より強く思うようになりました」。

予想外の配属。でもこの仕事でよかった

実は木下は入社当初、インテリアコーディネーターを志望していた。ところが配属されたのは、「ディレクター」という耳慣れない職種。「なぜこの仕事なんだろう?」「何をするんだろう?」と、疑問符だらけの社会人スタートだった。だがすぐに、前向きな気持ちに変わっていったという。「上司がすごくいい人で。建築のことを何も知らない自分に、つきっきりで仕事を教えてくれたんです。期待に応えたい、ここでがんばろう!と思うようになりました」。

最初の3か月間は上司に同行。ディレクターの仕事は現場で身につけた。尊敬する上司の口ぐせは、「気になったことがあれば、現場で対応しなさい」。後回しにせずに、すぐに対応しろという意味。そう教えられてきたはずだったのに、一度、業者さんへの連絡を忘れ、施工をやり直すはめになったこともある。だがそのときも、上司から頭ごなしに怒られることはなかった。「誰にでもミスはある。大事なのはそのあと」。そう諭してくれた上司の言葉の意味が、今は痛いほどわかる。たとえ失敗したとしても、真摯に対応していけば、リブワークのことをもっと好きになっていただけるかもしれないのだから。

「今思えば、この仕事でよかったと思っています」と木下はいう。「何もない土地の状態から、家が完成するまで、家づくりの0から10まで関われるのは、ディレクターだけ。だからいろんな知識も経験も身につきますし、達成感も味わえます。施主検査の時に、『きれいに仕上がっている』『どうもありがとう』と、お客様から喜んでいただけた時は、すごくうれしいです」。

一見、とても地味な検査業務。お客様と会えるのもほぼ1度きり。だが今の木下は毎日実感している。自分たちがお客様の満足とリブワークへの信頼を作っているのだと。