人・キャリア

  • #自己成長・キャリアアップ
  • #職種
  • #やりがい

契約解除寸前の「無印良品の家」事業を再建。 売上棟数ワーストから、トップへ駆け上がるまで。

update:2022.01.11

塚本尚哉さん(27歳)/2016年新卒入社/無印良品の家 熊本店 店長

もしかして、俺左遷ですか?

入社2年目の2018年4月、四半期に一度の配属発表の日のことでした。異動なんか自分には関係ないしと悠長に構えていたら、突然呼ばれた自分の名前に思考停止。「今、俺の名前呼ばれませんでした?え、本当に?」と思わず2回聞きました。俺なんかやらかしたっけ…?、はじめは左遷だと思いました。正直まったく喜べなかったですね。昨年熊本南店の立ち上げに携わって、やっと住宅営業としてエンジンがかかってきたところでしたから。

リブワークでは、フランチャイズ形式で無印良品の家を販売しています。本体のMUJI HOUSEは建築技術を持たないので、直営店舗も全国に4、5箇所ほどしかありません。そのため、各県で地域に根付いた工務店やハウスメーカーと業務提携を結び、販売を委託。委託先は販売実績や施工技術、業績等を基準に選ばれますが、右肩上がりの成長率や株式上場を理由にリブワークは7年前に販売権を勝ち取っていました。
配属後に初めて参加したMUJI HOUSEの全体会議。売上棟数ランキング発表では、全国に40数社あるパートナーの中で、リブワークはなんとワースト2位。無印良品本部からは、このままだと契約解除せざるを得ないと。「でもリブワークさんなら、売れないわけないですよね?^^」と釘を思いっきり刺されて、僕は震える声で「何とかします」というほかありませんでした。

しかしながら、さほど危機感は感じていませんでした。たとえ無印良品の家との業務提携が解除されたとしても、自分はリブワークで営業ができると思っていたから。配属が発表されてからもリブワークで営業に勤しんでいたある日、上司にうちの住宅営業は一切するんじゃない!と、怒られたんです。そのときやっと、会社としてこの事業に本気なんだって理解しましたね。しかも、もし無印良品の家の専任営業になるんだったら、全力で契約を取りにいかないと数字にならない。はじめて猛烈な危機感が押し寄せてきたのを覚えています。

正解がないなら、成功例をつくるしかない

前任者がいないというのは、なかなかに困難な道のりでした。過去販売実績のある先輩に質問しても、記憶曖昧な返答しか返ってこないんです。商品知識はおろか、営業手法すら教えてくれる人がいなくて。無印良品本部に何度も助けてもらいながら、見様見真似で営業をかけていくしかありませんでした。
蓋を開けてみれば、無印良品の家は宝の山でしたね。だって資料請求があっても、誰も営業をかけていないのだから。お客様に連絡を取ったら簡単にアポが取れるんです。そもそも問い合わせをくださる時点で、無印良品というブランドに魅力を感じている方ばかり。売り込む必要がないんです。商談の機会をいただいたお客様には自分が配属になって間もないことを伝えて、一緒に学びながら家づくりのお手伝いをさせていただきました。ふつうの住宅営業なら10組お客様を接客して、1棟契約が取れれば契約率10%。これでもかなりいい方。でも僕の場合、配属当初から契約率は80%を超えてたんです(笑)。改めてブランドの大きさと、その専任営業として自分に任された責任の重さを感じましたね。

営業としての成長

異動になってから、自分の限界値にも気づきました。一人で抱え込んでミスするより、いろんな人巻き込んで助けてもらう方がいいじゃんって。設計・土地・金融、分からないことは専門部署の先輩に仕組みから教わりましたし、商談にも同席してもらいました。新人の僕がお客様に信頼いただけたのは、頼るべきところに素直に頼ったからかもしれません。
というのも、過去に完成見学会をさせていただいたお客様から、猛烈なお叱りの言葉をいただいたことがあります。危機察知力が低くレスポンスが遅かったことも相まって、もう住みたくないとまで言わせてしまって。ずっとそのことを反省し続けていたけれど、畢竟、ミスを根絶することは不可能だってやっと気付けたんです。だって家づくりって一人じゃできないでしょう?設計、コーディネーター、現場の施工業者さん…大勢の人が関わるのだから、全工程を完璧に管理することはできません。だからこそ、起きてしまったミスに関しては早急に問題を把握して、動きながら解決策を考える方が効率的なんじゃないかって。クレームをいただいても初動が早ければ、逆にお客様に感謝していただくことも増えました。

熊本県内にリブワークの店舗はいくつもあるけれど、無印良品の家は1店舗だけ。もしお客様に満足いただけなかったなら、必然的に店舗のメンバーに責任の所在が向くし、何より無印良品本体に迷惑がかかってしまいます。でも裏を返せば、良い評価はうちの誰かが褒められたってこと。良くも悪くも、評価が分かりやすいんですよね。でも、お客様に褒められたら嬉しいし、もっと頑張ろうって思えるじゃないですか。つまり顧客満足度を向上させることは、店舗の幸福度向上にもつながります。クレームの火種を早急に対処することは、お客様への心遣いであると同時に、スタッフにかかるストレスを最小限に抑えることでもあると思います。加えて、無印良品の家では入居後に見学会を開催させていただくのですが、僕のお客様は「住み心地の良さをぜひ自慢したいです!」と言ってご快諾くださる方が多いんです。人に見てもらいたいと思うほど、満足度が高いってことですよね。その展示会やお客様のご紹介からお問い合わせをいただくことも増えて、良いことづくし。だから僕は、何より顧客満足度を重視した営業に変わりました。

舞台は熊本から福岡へ。快進撃はつづく

ワーストを目撃した日から、3年。2021年上半期の契約棟数ランキングでは、なんと全パートナーで2位に!ここまできたら、狙うは1位の座。2022年には福岡県でも無印良品の家の代理店として、新たな展示場を任されることになりました。いつかは後輩に熊本店をまるっと任せたい…後進の育成が目下の課題。自分が切りひらいた道を、後輩も歩けるように整備しなきゃなあ。思えば、無印良品の家に配属になってから、営業という営業をしていない気がします。商談では、メリットを並べるよりもデメリットを解消することの方が多くなりました。昔は元気はつらつな営業スタイルが売りでしたが、今は安心感を与えられるように穏やかな表情や口調を心がけています。お客様からも「相談に乗ってもらっているうちに、気づいたら契約してたんだよね」と言われることもあるくらい。配属当時、社長になぜ自分が?と質問したら「塚本くんなら向いてると思ったんだよね」と言われたことをふと思い出しました。社長、今ならその言葉の意味、少しだけ分かるような気がします。