事業

  • #やりがい
  • #自己成長・キャリアアップ
  • #職種

社長が語る創業ヒストリー。リブワーク成長の秘密と、一貫して流れるスピリットを社長の言葉で解き明かす

update:2022.02.14

代表取締役社長 瀬口 力

この業界は古い。だからチャンスがあった

「瀬口工務店」から、「エスケーホーム」。そして、「リブワーク」へ。熊本の小さな工務店を継ぎ、一代で、上場企業にまで育て上げた瀬口力社長に、その歩みをインタビュー。業界の常識にとらわれない挑戦と、その発想の原点。苦難の歳月。ブレイクスルーのきっかけ。今だから話せる「あの時」の思いと、これからに対する思いを、赤裸々に語ってくれました。

―まずは創業のきっかけを教えてください。

父が熊本県の山鹿で小さな工務店を経営していたんですよ。僕は大学院で法学を学んでいました。弁護士になりたいと思っていたんです。

―それがなぜ経営者の道を歩むことに?

父が倒れまして、2年間そばについて看病したんです。そのときに一生分、話をしました。父は営業がうまいタイプではなかったんですね。でも、お客様のために!と考えることが大好きで。家を作る仕事が楽しい!という気持ちが伝わってきて、改めていい仕事だなと思ったんです。その後、父が亡くなった時も、家を建てたお客さんがたくさん来て下さったんですよ。こういう仕事はなかなかないよねと思って、喪主の挨拶の時に、「僕が後を継ぎます」といっちゃったんですよ(笑)。でも最初から勝算も感じていました。

―勝算とは?

父が働く姿を見ていて、この業界は遅れてるなと思っていたんです。当時、父がどうやって仕事を取っていたかというと、お客様のもとに足を運んで、お酒を飲みながら情報を集めて、紹介をもらって…という感じだったんです。それが毎晩だった。それで体を壊したというのもあったんですね。一方、他の大きな会社はどうかというと、お金をかけて展示場を建てて集客するだけ。それがピンとこなくてね。なにか他に方法はないのかな?とぼんやり考えていたんです。そうこうしているうちにインターネットが普及し始めました。僕が後を継いだのが1999年は、ようやく一般家庭がインターネットを使えるようになった時代なんですよ。これを活用したらもっとスマートに集客できると思いました。それでいちばん最初にやったのが、ホームページのアドレスを取得することだったんです。どうしても「.com」が欲しくてね(笑)。当時はまだ珍しかったんですが、アメリカにわざわざ申請したんです。思えばその頃から、いつかはIT企業にしたいという夢があったのかもしれません。

―当時の会社の規模は?

1999年は、社員が4人でした。設計が2人、大工が1人、工務が1人。営業は僕と母がやっていました。といっても僕は素人ですから、図面を見てもわからないわけです(苦笑)。僕がわからないということは、お客様もわからない。だからCGを作りたいと考えるようになったんですよね。

長い足踏み時代。ブレイクスルーを導いた覚悟

―ホームページの効果は?

ホームページだけを作っても、なかなかお客さんは来ませんでした。せっかくお問い合わせがあっても、クロージングも苦労しました。当時のネットを使っている人って、電話などのコミュニケーションが苦手な、もともと人と会いたくない人だったから(苦笑)。ネットでの集客からクロージングまでがなかなかつながらなくて、苦労しましたね。かなり足踏みしましたよ。10年くらいはかかりました。

―ブレイクスルーのきっかけは?

きっかけは、チラシをやめたことです。それまではチラシも作って、見学会に呼び込もうとしていたんです。でもコストばかりかかる。それでネットに集中しようと切り替えたんです。背水の陣ですよね。そうなると覚悟ができますから、いろんなアイデアが出てきますよね。その時に始めたのが、土地だけの情報を発信する「e土地net」。ネットを切り分けたわけです。すると会員登録率が上がってきました。これはいいということで、さらに「いい平屋ネット」「e注文住宅net」など、いろんなカテゴライズをして幅広い集客をめざすようになったんです。この戦略によって、集客単価をグッと抑えられるようになりました。これがすごく大事なんですね。展示場にコストをかけても、普通は20組に1組しか制約できないと言われています。だから大手の商品は割高になる。しかし集客単価が低ければ、同じものを安く提供できますから。もう1つ大きかったのは、インサイドセールスの専属部隊の導入です。ネットでお問い合わせくださったお客様に対して、アポイントを取るために専門のスタッフたちが戦略を練り、DMなどのアプローチをしていくようにしました。アポイントの取得率も、見学会への来場率も、飛躍的に上がっていきました。

新卒採用の開始が会社を変えた

―そして2004年、「エスケーホーム」に社名を変更。そのねらいは?

それまでの社名は「瀬口工務店」。地元の小さな工務店というイメージでした。でも自分が家を買うなら、社名も大事だよねと思ったんです。ちょうど、父が「エスケー会」という協力業者さんの会を立ち上げていたので、その名前をもらいました。

―エスケーホームになってからの変化とは?

いちばんは採用だと思います。それまでは中途採用がメインだったんです。でも中途採用って、僕とビジョンが違う人も入ってくるんですね。例えば「山鹿でいちばんになれればいいやん」みたい考え方だったり。これは違うなという思いがだんだん強くなっていきました。上場企業になりたい、日本一の会社にしたい、という僕の夢に共感してくれる人と一緒に働きたいと思うようになったんです。だから新卒採用に力を注ぎ始めました。それまでの中途採用は、欠員というマイナスを補うための採用でしたが、新卒採用は純粋なプラスです。上乗せですよね。と同時に、彼らが活躍できる場所も作らないといけません。そこから、エリア拡大、事業拡大を積極的に進めるようになりました。新卒を採用することで、僕自身の意識も変化したし、会社の成長スピードも上がったと思います。

―上場企業になるという夢は当時から唱えていらっしゃったんですね

勝算があったわけじゃあないんです、正直。でも夢を与えることが僕の仕事だと思っていましたし、この夢をみんなに言うことで、うそをつくわけにはいかんじゃないですか。もともと僕は、何かを始めたら、とことん突き詰めたい性格なんです。昔、「ダービースタリオン」という競馬シミュレーションゲームがブームになったことがあるんですけど、僕は徹底的に研究しましてね(笑)。最強馬を作って、雑誌に紹介されたこともあるんですよ(笑)。好きなことができると、それくらい夢中になっちゃうんですね。

変えてきたもの。変えてはいけないもの

―2018年に「リブワーク」へと社名変更した理由は?

僕たちの仕事は家を建てることなの?と考えた時に、僕たちは暮らしを作りたいんだよねと気づいたんです。住宅の性能がいいのは当たり前。これからはライフスタイルをどう作り、どう変えていくかが、僕たちのミッションだと。それを具現化するための社名を2016年くらいからずっと考えていて、2018年に変更しました。英語のLive(住む)をNetworkする企業になりたいという思いを込めて、「Lib Work」にしたんです。でもまわりには反対されました。2015年に福証に上場したばかりだったし、「エスケーホーム」の名前で商品もよく売れていましたからね。でも僕は、できるだけ早く変えたかったんです。そのときにたまたま藤崎台球場のネーミングライツを募集していたので、これチャンスだよね!と思いまして、チャレンジしたのもよかったと思います。リブワークの名前が一気に広がりましたから。

―創業以来、変わらないものがあるとするなら、何でしょう?

すべてにおいて「お客様重視」だということです。これって本当に徹底するのは難しいし、厳しいんですよ。例えばこんなこともありました。ある分譲地の地盤調査をしていたら、何かが出てきたんです。どうも産業廃棄物がたくさん捨ててある。業者さんがうちの工務に連絡してくれて、それを僕に伝えてくれました。すぐに調べてみたら、アスベストだった。でも他の会社は、その分譲地にたくさん家を建てていました。なぜかというと法律的には、「アスベストが飛散しなければいい」となっているから。法律的には問題がないんです。でも自分の家を建てるとしたらどうですか?それを隠されたままではいやでしょう?それで僕はお客様に情報をオープンにするよう伝えました。結局そのお客様は、その分譲地に家を建てませんでした。当社は売り上げを逃したわけです。でも僕は何の後悔もありません。だってそのお客様が本当に喜ばれていましたから。それはそうでしょう。一生かかってお金を払っていくわけですからね。

―働き方も「お客様重視」で?

そうです。お客様がしてほしいと思うサービスをめざし、お客様が喜ぶサービスをしようと思えば、残業することもあるんです。それで不満が出てくるのであれば、それは僕たち経営陣の怠慢。仕事自体の充実感をどうやって高めるかが僕たちの仕事だと思っていますから。マイロボもね、同業他社に販売することには反対の声もあったんです。でも最終的に選ぶのはお客様でしょうと。お客様が喜ぶサービスを提供する。ここは譲れない。こういう話をすると、新卒の人にも意外と響くんですよね。共感してくれる人が入ってきてくれるとうれしいですね。

リブワークの未来と課題

―これからの夢を教えてください

たくさんありますけど、1つは、100人の社長を作ること。ようやく2021年7月に1人、「リブサービス」の社長が誕生したんですよ。社長室長として経営戦略に携わってくれた社員なんですけどね。これからもやりたいことがたくさんあるので、子会社をどんどん作って、社員たちに任せたいと思っています。それともう1つは、「所得倍増計画」ですね。

―リブワークの「所得倍増計画」とは?

2021年の4月から提唱し始めました。それぞれの社員の所得を15年で倍増させたいという計画です。企業が生産性をあげて、利益を出し、社員に分配する。このサイクルが日本の企業は、海外の先進国と比べると遅れていると思います。ですから社員に所得の倍増をお約束したうえで、しっかり分配していきたいと思っています。具体的には、人事評価制度も昇給率も見直しました。がんばっている社員にはしっかりした報酬を差し上げたいし、いい人材ほど他の会社にとられるリスクもありますからね。そこは甘えずに、会社も努力しないといけないと思っています。皆さんの前で言った以上、実行しないと「うそつき」になりますからね。

―リブワークに課題があるとすれば、何でしょう?

その質問、投資家の方からも聞かれたんですよ。僕はですね、今のリブワークの外見だけを見て入ってくる人がいることに危機感を感じています。謙虚さを失うことが、怖いんです。今の若い社員たちを見ていても、業者さんからチヤホヤされることが多くなってきました。なかには業者さんを平気で立たせて待たせているような社員もいる。ああいう「大手感」が僕は本当に許せなくて。僕自身は、後を継いだあのときのままの気持ちでいるんです。本当に、あの頃のままなんですよ。どんなに会社が大きくなっても、僕らがえらいわけじゃない。お客様が選んでくださって、協力業者さんが助けてくださって、今がある。それを忘れてはいけない。謙虚であること。お客様重視であること。常にチャレンジすること。こうした姿勢はこれから先も絶対に変えてはいけないし、変えたくないと思っています。