人・キャリア
update:2024.03.15
瀧田航汰(25)
2020年4月入社、奄美大島出身
コンサルティング営業部 主任
新卒でリブワークに入社。新卒1年目は熊本南店に所属し、2年目から佐賀店へ異動。
現在、コンサルティング営業部の主任として従事している。
注文住宅事業を主として行うリブワーク。コンサルティング営業部はいわゆる「住宅営業」と言われる仕事を行っており、お客様との家の契約から完成までを担当。瀧田もコンサルティング営業部の一人として、佐賀店に勤務している。
そんな瀧田に1日のスケジュールを聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「まず水・木曜日がお休みで、月曜日は会議、残りの平日(火・金曜日)は銀行や不動産会社へ足を運んだり、土日に向けての資料作りを行ったりしています。土日祝日はずっとお客様とのお打合せを行っていますね」。
住宅営業と聞くと、お客様に家を紹介して売る というイメージを持つ方も多いのではないだろうか。しかし、お客様との接点は基本土日祝日がメイン。残りの時間は銀行や不動産業者との対話に割いており、BtoCの営業スタイルである一方、BtoBの側面も併せ持っているといえる。
BtoBの側面も強い住宅営業。なぜ銀行や不動産業者との接点も必要なのか尋ねると、「契約に有利に働くため」と瀧田は答えた。
「たとえば、家は欲しいけれど土地に困っている方。土地探しって難しいんですが、命にもかかわる大切な行程なんですよね。だからこそ、自社のノウハウでは限界があるというか…土地にくわしい他社の不動産業者さんとつながることで、自社にはなかった土地を紹介できるんです」。
不動産業者とつながってお客様のニーズに合う土地を見つけることが、契約の近道。だからこそお客様との時間と並行して、業者との時間も必要なのだ。
平日はBtoB、土日はBtoC営業どちらも担う激務がつづくコンサルティング営業部だが、瀧田の顔は生き生きしている。聞くと、毎日のタスクに追われて疲弊したり残業が多く発生していることはないとのこと。その秘密は、佐賀店流・「残業しない」術だ。
その1.最初の1カ月が契約するかどうかの決め手。熱量のないお客様は自宅訪問に切り替えるなど、押し引きの合わせ技で業務を行うべし
その2.名前を呼ばれるかどうかがカギ。積極的にアイスブレイクをはさみながらリアクションを見極めるべし
その3.適度に人に任せる力を持つべし
どれも当たり前のことではあるんですけど、と瀧田は続けた。「お客様が初めて来店された時って、やっぱり緊張されていると思うんですよね。とても大きな買い物ですし…。だからこそ家づくりに関係のない話題をはさみながら、フラットに対話したいんです」。
まさに押し引きの合わせ技で効率的に仕事を進めていくわけだが、それだけでは残業を減らせない。対お客様だけでなく、対従業員に関するソリューションも必要だ。
そこで重要になるのが、「その3.適度に人を任せるべし」。人に任せる際もただ丸投げするのではなく、日頃から十分に情報共有を行うことが大切だという。
「佐賀店の店長である武藤さんは、とにかく効率重視の方。資料作りを簡潔にするため店舗全員で土地情報に関する共有フォルダを作るとか、そういった効率ありきの取り組みが残業の少なさにつながっています」。
瀧田の出身地は奄美大島。大学で福岡に渡り、リブワークへの就職を機に熊本へやってきた。新卒1年目では熊本県内にあるモデルハウス、2年目から現在の佐賀店へ異動になったという。
次々と拠点を変える瀧田だが、明るさとポジティブさが彼の持ち味。佐賀店に異動となった際も、佐賀と熊本の違いを真っ先にとらえた。
「熊本県内では大体の方がリブワークについて知っているのに、佐賀だとほとんどの人が知らないことに驚きました。ハウスメーカーというよりは工務店っていう立ち位置なんですよね」。
当初は佐賀での立ち位置の違いに驚いた瀧田だったが、佐賀ならではの営業スタイルを確立していく。
佐賀店に来てまず彼がお客様に行ったことは、リブワークという「会社」についての説明。熊本に常駐していた際はリブワークについての説明もそこそこに、断熱性能やコラボブランドなどリブワークの「家」について説明していた。熊本では名の知れた企業で、大して説明が要らなかったのだ。
しかし佐賀では、そもそもリブワークという「会社」をお客様は知らない。その違いについて、瀧田は車の購入時をイメージしたという。
「たとえば車を購入するとき、まず大手のカーディーラーを見に行きませんか?最初から個人の小さな車販売店に足を運ぶ方って、あんまりいないと思うんですよね」首をひねりながら話す瀧田は、こう続けた。
「家も同じで、名前を聞いたことがあるような大手メーカーにまず話を聞きに行く方が多いんです。その後、小さな工務店やメーカーに話を聞きに行く。そこでいきなりリブワークの家について話し始めても、そもそも全体像の分からない方が多いんですよね」。
家を建てる際に重要となる住宅会社選びだが、ハイコストメーカー・ローコストメーカー・地場の工務店・設計事務所…というように、その種類は多岐にわたる。名前が知られていないうちは、お客様は「リブワーク」の家を見に来たのではなく「どこかの工務店」の家を見に来ているのだ。そこでリブワーク自体を売り出しても、お客様には全体像が見えていないため判断材料になりえない。瀧田は佐賀店に異動してこの違いにいち早く気付いたという。
「本社機能のある地場に根差したエリアでの営業と、他県での営業ではこんなにスタイルが違うのかと驚きました。佐賀店配属になったことで大きな気づきを得られましたね」深くうなずきながら彼は答えた。
佐賀に来て、リブワークの知名度と同じく驚いたことは金利の違いだったという。佐賀は大手の銀行やネット銀行を用いて借り入れるのではなく、地元の地方銀行(地銀)を使っている方が大多数。どうしても金利が高いため、住宅購入のハードルが高いという現実があったのだ。
「佐賀の地銀はすべての住宅メーカーに対して金利が高いわけでなく、特定の大手メーカーに金利を優遇して下げていたんですよね。なので佐賀の地銀を使っている方がリブワークか大手メーカーかで迷った際に、どうしても金利で競り負けちゃう。そこで、リブワークが大手メーカーに勝つカギは金利だと思ったんです」。
金利を下げるために瀧田がまず行ったことは、地銀の重役と仲良くなること。リブワークでも低い金利が適用されるよう交渉を何度も行ったのである。
「交渉の甲斐あって、今ではリブワークでも優遇して低い金利で契約できるようになりました」と嬉しそうに話す。こうして佐賀店での経験を機に、瀧田の営業スタイルは確立されていった。
仕事で辛かったことを聞くと、「1年目はとにかく事務作業や店舗の運営、そのほかの雑務が多く、辛かったですね…」と苦い顔。残業も多く、辞めたいと感じたこともあった。
そんな中でも思いとどまれたのは、瀧田に覚悟があったからだという。若手に裁量権のある職場で働きたいと考えて就職活動を行っていた彼は、リブワークが若手中心で成長しているベンチャー気質の会社だと分かって入社した。そのため、ハードワークで辛い時期もあるだろうと覚悟していたのだ。
「大手で安泰というよりも、会社の一員として存在感を出しながらお金を稼ぎたい…そんな思いがありました。2年目以降になると自分主導でできる範囲も増え、楽しく仕事が出来ています」と満足そうに笑った。
彼の営業スタイル―ひいては仕事の流儀として挙げられるのは、「自分軸」。これについて瀧田は、自分がやりやすいように仕事を進めること と付け加えた。
「金利を下げた一番の理由も、競合が入った際に金利が低い方がお客様に案内しやすかったからなんですよ。お客様のためとかそういった大層な動機だけではなかったというのが、正直な本音です。でも、こうやって自分のやりやすい環境を築いていくことこそ、回りまわってお客様のためになっていると気付いたんですよね」。
熊本、佐賀と2店舗経験したからこそ築けた、瀧田ならではの営業スタイル。自分軸で仕事を行うことこそが、お客様ひいては会社のためにつながるのだ。
「自分軸という観点から考えると、自分にとっての楽しさを見失わないことがモチベーションを保つ秘訣だと思っています。営業ってどうしても数字に追いかけられる傾向はあるんですけど…」
瀧田が楽しいと思うことは何かと聞くと、「話すこと!」と笑いながら答えた。「お客様に話してみたいことを支店のみんなに聞いてもらったり、初めて会うお客様と話すことも好きですね。こういう自分にとっての小さな楽しさを見失わないことが、仕事の大きな一歩につながるのかなと思います」。
照れるように瀧田は笑った。